ヘルスインフォメーションの
鬼頭です。
人と話すとき、
ふと気になる「口臭」。
エチケットの一つとしても
重要視されるこの問題に対し、
最新の研究がある
“意外な対策”を示しました。
今回は、
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最新研究で判明!
口臭を消す最も簡単な方法
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について解説します。
口臭の元になるのは、
口内に残った食べかすを
口腔内の細菌が分解して生じる
「揮発性硫黄化合物(VSCs)」
です。
具体的には硫化水素
(腐った卵のような臭い)、
メチルメルカプタン
(腐ったキャベツのような臭い)、
ジメチルサルファイド
(腐敗した海産物のような臭い)
などが該当します。
これらは歯周病の原因菌が
代謝の過程で生み出すことが
わかっており、
プラークや舌苔に蓄積されやすい
特徴があります。
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バイオフィルムと
口臭の関係
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歯垢(プラーク)に代表される
「バイオフィルム」は、
細菌がタンパク質や多糖類で
形成する粘着性の膜であり、
外部からの抗菌物質を
ブロックします。
このバイオフィルム内で
揮発性硫黄化合物が
生成されることで、
単なる口臭以上に、
慢性的な悪臭や歯周病リスクを
高める温床となってしまいます。
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口臭を抑える“善玉菌”の力
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近年のメタ解析によって、
特定の
「プロバイオティクス
(善玉菌)」が、
口臭の元凶である
バイオフィルムを分解・抑制し、
VSCsの生成を防ぐことが
確認されました。
278名を対象に7つの研究を
統合した結果、有効とされた
プロバイオティクスは
以下の4種です。
・ストレプトコッカス・
サリバリウス K12:
抗菌性ペプチドを分泌し、
悪臭菌の繁殖を抑える
・ラクトバチルス・ロイテリ:
免疫調整効果や
抗炎症作用が強い
・バクテリア・サニバリウス:
口腔内のpHバランスを整える
・ワイセラ・チバリア:
舌苔の形成を防止し、
舌の清潔を維持
これらを4週間以上
継続的に摂取することで、
明確な口臭改善が見られたと
報告されています。
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食品とサプリ、
どちらが有効?
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プロバイオティクスは、
サプリメントまたは発酵食品から
摂取できます。
2016年の研究では、
特に食品(ぬか漬け、キムチ、
ヨーグルトなど)に含まれる
自然な善玉菌の方が、
腸内および口内フローラに
長期的な変化をもたらすことが
明らかになりました。
食品に含まれる善玉菌は、
唾液中でも活性を保ちやすく、
唾液の量と質を
改善することからも、
口臭予防に対してダブルの
効果が期待されます。
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ガムやマウスウォッシュ
だけでは不十分
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ガムは唾液を促す一方で、
過剰な咀嚼によって
胃酸分泌を促進し、
胃の内容物が逆流する
「逆流性食道炎」の引き金になる
可能性もあります。
これが逆に口臭を悪化させる
要因となることがあるため、
長期的な予防策としては
不向きとされます。
一方、マウスウォッシュは
殺菌作用が強すぎて口内の
“良い菌”まで排除してしまう
恐れがあります。
そのため、善玉菌を意識的に
補うケアが必要です。
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口腔内の健康は全身に影響
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最近の研究では、
口腔内の悪玉菌が歯茎の血管を
通じて全身に影響を与え、
糖尿病の悪化や動脈硬化、
認知症、心疾患のリスクを
高めることが示唆されています。
つまり、
口臭予防は単なるマナーではなく、
全身の健康維持に直結する
重大な課題なのです。
口臭の根本的な予防には、
口腔内の微生物環境を
整えることが必要不可欠です。
プロバイオティクスを含む
発酵食品の摂取や、
過度な抗菌を避けた
ナチュラルケアが鍵となります。
まずは食卓に
ぬか漬けやキムチなどを取り入れ、
日々の食習慣の中で善玉菌を
味方につけてみてください。
口臭対策は、
誰でも手軽に始められる
“未来の健康”への第一歩です。