ヘルスインフォメーションの
鬼頭です。
筋トレのためのサプリメント
として知られる
HMB(ベータ
ヒドロキシーベータメチル酪酸)
が、実は脳の認知機能にまで
良い影響を与えるかもしれない
という研究結果が話題と
なっています。
今回は、
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HMBがどのように
脳に働きかけるのか、
そしてその可能性と注意点
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について詳しく解説します。
HMBは、
BCAA(分岐鎖アミノ酸)
に含まれるロイシンが
体内で代謝された際に
生成される中間代謝物質です。
筋肉の合成を強力に
促進することから、
筋トレをする人にとっては
重要なサプリとして
知られています。
特に、加齢に伴う筋肉の減少
(サルコペニア)予防にも
注目され、医療分野でも
研究が進んでいます。
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アルツハイマー病モデル
におけるHMBの効果
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2023年に発表された研究では、
アルツハイマー病モデルの
マウスにHMBを投与する
実験が行われました。
HMBは記憶を司る「海馬」の
神経細胞に作用し、
神経細胞の突起にある
スパイン(棘突起)の数を
増加させました。
これは、神経細胞間の結合が
強化されたことを意味し、
認知機能の改善に寄与する
可能性を示しています。
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実験の具体的な成果
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マウスにHMBを1か月間与えた
結果は以下のようになりました。
・海馬の神経細胞の増殖が確認
・迷路テストにおいて
記憶・学習能力が向上
・脳内に蓄積する
アミロイドベータ
(異常タンパク質)が減少
これらの結果から、
HMBが
アルツハイマー型認知症の進行を
抑制する可能性が
あるとされました。
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ケトン体との関連性と誤解
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HMBは「ベータヒドロキシ」と
名がつくことから、
ケトン体である
「ベータヒドロキシ酪酸」と
混同されがちですが、
実際は別物です。
ベータヒドロキシ酪酸は、
糖質制限時などに
脂肪から作られ、
脳の代替エネルギー源として
利用される物質です。
MCTオイルなどを
摂取することで体内で生成され、
神経保護・抗酸化作用・
抗炎症効果なども
報告されています。
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HMB摂取の注意点
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HMBは現在、
安全性の高いサプリメント
とされており、
長期的な摂取でも明確な副作用は
認められていません。
しかし、筋肉の増強効果が
あるということは、
「細胞増殖を促進する作用が強い」
ということでもあります。
そのため、
がん細胞のような異常細胞の
増殖リスクについては
注意が必要であり、
過剰摂取や無計画な利用は
避けるべきです。
HMBが脳機能改善に有効である
可能性は魅力的ですが、
現時点ではまだ
マウス実験段階であり、
人間への影響は不明確です。
そのため、
日常的な認知機能サポート
としては、
MCTオイルなどの
ケトン体生成を促す食品の方が
現実的であるかもしれません。
筋トレサプリメントとして
知られるHMBには、
脳の神経細胞を活性化させ、
認知機能を改善する可能性が
あるという研究結果が
出ています。
しかし、
人への応用にはまだ課題があり、
現時点では慎重な姿勢が
求められます。
認知機能が気になる方は、
まずはMCTオイルの活用など
安全性の高い方法から試してみる
検討も必要かもしれません。