日刊マガジン

“良い姿勢”が痛みを招く!? 最新科学が教える3つの対策

こんばんは。
ヘルスインフォメーションの大井です。

その“良い姿勢”、逆効果かもしれません。

「足を組んだらダメ!」
「猫背は治しましょう」
「背筋をピンと伸ばして!」

…ずっとそう信じて実践してきたとしたら

実はその“姿勢”が、
腰痛や肩こりを
悪化させている可能性があります。

足を組むと骨盤がゆがむ
猫背はよくない
背筋を伸ばして座りなさい



つまり、
良い姿勢を維持しないと
肥満や痛みを引き起こす――

…そんな風に教えられてきた方は
多いと思います。

壁に踵をあてて
肩が前に出すぎてないかな…?

と、まめに姿勢チェックをして
一生懸命いい姿勢を確認して
常に頑張り続けて気が抜けない 汗

そんな方はいらっしゃいませんか?

ですが、
実は最新の研究で
「良い姿勢=痛みを防ぐ」という確かな証拠はない
ことがわかってきています。
(Diane Slater et al., 2019)

もしかしたら
「正しい姿勢が良い」という考え自体が
誤りだったとしたら…?

頑張って姿勢を正し続けようとしたことで
かえって痛みが増す…なんてことが
あったらいかがでしょうか。

そのような未来を避けて
自分らしい姿勢を保ちながら
無理なく痛みと無縁な生活ができるように!

本日は
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【科学が教える】
痛みと姿勢の関係と
痛みとサヨナラする最新姿勢ケア

■□━━━━━━━━━━━□■
についてお届けします。

 

◆「悪い姿勢が痛みの原因」は古い3つの理由
===============================
腰痛や姿勢に関する研究の
世界的権威たちが、
多くの科学的根拠をもとに
学術雑誌上で明らかにしたのは

「万人に使える正しい姿勢はない」
ということ。
(DIANE SLATER、J Orthop Sports Phys Ther 2019)

理由を3つお伝えしますね。

1 人の体は多様だから
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

人の体は一人ひとり違い
身長、体重、骨格、筋肉のつき方、
そして背骨のカーブ(弯曲)に至るまで、
驚くほど多様です。

そもそも骨格が違うのに、
全員に「この角度が正しい」という
単一の理想的な姿勢を当てはめること自体に
無理があります。

2 「正しい姿勢=痛みを防ぐ」
科学的根拠がない
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
実際に、これまで多くの研究が
行われてきましたが、

「特定の正しい姿勢を保つことが
腰痛を予防・改善する」

ということを明確に示した
研究はほとんどありません。

一般的に「悪い」とされる姿勢の人でも
全く痛みがない人は大勢いますし、

逆に「良い」姿勢に見える人でも
腰痛に悩んでいる人はいます。

つまり、「この姿勢だから痛い」という
直接的な因果関係は
証明されていないのです。

3 背骨は本来、頑丈で適応力があるから
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
私たちの背骨は、ガラス細工のように
脆いものではありません。

曲げたり、捻ったり、
さまざまな動きや負荷に
耐えられるように設計された、
非常に強くて適応能力の高い構造です。

◆姿勢が大事だと思い込んだ背景
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私たちが思い込んできた背景、それは
マーケティング戦略の影響が考えられます。

たとえば、

・姿勢矯正ベルト
・猫背矯正サポーター
・骨盤矯正クッション
・“姿勢を治す” 〇〇

世の中には
「姿勢を正せば痛みが消える」ビジネス が
溢れています。

「姿勢が悪い=悪」
「正しい姿勢=健康」

そう信じてもらえたほうが、
商品やサービスは売れやすいからです。

◆本当に問題なのは姿勢の「良し悪し」じゃなくて
「同じ姿勢」で座り続けること
==================

先程の論文の結論としては、

問題なのは「特定の姿勢」ではなく、
「長時間動かないこと」
です。

どんなに良い姿勢でも、
ずっと同じでいるのは良くなく、
大切なのはこまめに動いて姿勢を変えること。

腰痛に関する他の研究でも
同じ姿勢を続けることが
痛みの引き金になることが示されています。

たとえば、デスクワーカーを対象とした
研究(Gibbs et al., 2017)では、

・座る時間を減らすための
行動カウンセリング

・昇降デスク(立ち/座りを切り替えられるデスク)の設置

・「30分動かなければ振動で注意する」デバイスの配布

などが行われました。

参加者は、
「1日に最低2時間、できれば4時間まで立つ」
「30分ごとに姿勢を変える」
ように促されたのです。

その結果――
座りっぱなしの時間を減らし、
立つ・座るをこまめに切り替えたグループは、

腰・肩・背中の不快感が
約30%軽減しました。
(Gibbs et al., 2017)

良い姿勢にこだわって
頑張りすぎていた方にとっては
ただ姿勢を変えればいい というのは

ずっとハードルが下がりませんか?

◆ 今日からできる《姿勢ケア》のポイント
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重要なのは「良い姿勢をキープする」ことではなく、
同じ姿勢を続けないこと。
動き(バリエーション)をつけること。

です。

① 30分に1回「姿勢をリセット」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
30分を目安に座り続けていたら

・立って背伸び 10秒
・椅子に深く座りなおす / 浅く座りなおす
・肩まわし3回
・その場で足踏み10回

などを取り入れてみましょう。

② 足を組んでOもOK
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
足を組む・猫背=悪い
ではなく、
避けたいのは組んだまま固まること。

姿勢の固定→ 血流低下 → 痛み
につながります。

だから、
足を組んだら数分後に逆側 に組み替える
猫背になったら伸びをする

など、姿勢のローテーションを増やしましょう。

③スタンディングデスクを導入する
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1日の座位時間が長いと
腰痛になるリスクが40%上がるという
研究結果があります。
(Baradaran Mahdavi Sら、2021年)

デスクワークの方は
スタンディングデスクの導入も有効です。

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30分ごとにちょっと姿勢を変えるだけ。
それだけで、痛みと無縁の人生が近づきます。

今まで良い姿勢を求めて頑張っていた方も
少し息を抜いて
まずは明日から1日1回、
姿勢リセットを試してみてくださいね。

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