こんにちは。
ヘルスインフォメーションの大井です。
「みたらし味」
「照り焼きチキン」
「甘辛煮」——
この“甘じょっぱい味”、
クセになりますよね。
でもその美味しさ、
実は健康にとって“見えないリスク”が潜んでいることを
ご存じですか?
特に、
塩分を控えて健康を意識している方ほど
無意識のうちに甘みを足して味を調える…
そんな行動に
心当たりがある方ほど要注意です。
甘辛味は、私たちの塩分センサーを鈍らせる
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最新の研究では
甘辛味では
甘みが塩味を感じにくくすることで
気づかないうちに
塩分を摂りすぎるリスクが上がるそうです。
自分では
「薄味で塩分を控えているつもり」でも、
実は毎日塩分過多だった…
そのような事態を避けるためにも
本日は
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甘じょっぱい味は塩分過多にご注意!
塩と上手に付き合うコツ
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のテーマでお届けします。
◆甘辛味についての研究結果
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京都府立医科大学とハウス食品グループが
行った共同研究では、
・健康な成人100名
・慢性腎臓病(CKD)の患者66名
を対象に塩水の味の感じ方を比較しました。
被験者は、さまざまな濃度の
塩水を染み込ませたろ紙を舌にのせて、
「どの濃さで不快に感じるか
(=嫌悪閾値)」を調べました。
さらに、同じ塩水に
甘味(80%ショ糖水)を加えた場合、
味の感じ方がどう変わるかを比較しました。
研究の結果、
〇健常者の場合:
・非常にしょっぱい(約20%濃度)の塩水を
「不快」と感じた人は 約半数(48%)
・そこに「甘み」を加えると、
不快に感じなかった人が52%に増加
〇慢性腎臓病(CKD)患者の場合:
・高濃度の塩水を「不快」と感じなかった人が
約79%。
・さらに甘みを加えると、
92%が不快に感じなくなった
つまり
健常者より慢性腎臓病の方が
塩分を感じにくく
健常者も慢性腎臓病の方も
甘みが加わるほど、
塩分への“警戒センサー”が鈍ってしまうのです。
◆味覚センサーが鈍ると何が起こる?
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本来、人の体は
「しょっぱすぎる」と感じたら
自然と控えるようにセンサーが働きます。
しかし甘味が混ざるとその感覚がマヒし、
気づかないうちに
塩分を摂りすぎる可能性が高まるのです。
特に、慢性腎臓病の方は
もともと塩味に対する感受性が
低下しやすく、
甘みが加わることでさらに
リスクが高まることを
知っておくことが大切です。
◆とはいえ「塩=悪」は間違い
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一方で、
健康な方が極端な減塩を続けるのは
逆効果。
ナトリウムは
・神経伝達
・筋肉の収縮
・心臓の動き
に欠かせないミネラルです。
そのため、不足すると、
病気の予防どころか
以下のような不調を招くこともあります。
・頭痛や倦怠感
・認知機能低下
・筋肉のけいれん
・めまい、ふらつき
・イライラや集中力低下
・うつ症状
・熱中症
大切なのは
「上手に塩と付き合うこと」です。
ここからは
塩分と健康のバランスをとる
3つのヒントを紹介します。
簡単に取り組めるものばかりなので
できそうなものから
試してみて下さいね。
◆ 塩分と健康のバランスをとる3つのヒント
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1 甘辛い味つけでは塩分を控えめに
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加工食品やお惣菜は
「砂糖+塩」が多め。
できるだけ手作りのものを食べ
甘辛味では少し塩分控えめを意識しましょう。
2 天然塩を適度にとる
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塩化ナトリウム100%の食卓塩ではなく
天然の岩塩や海塩を選びましょう。
天然塩にはカリウムやマグネシウムなどの
微量ミネラルが含まれ、
体の電解質バランスを保ってくれます。
3 野菜と果物を積極的に
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野菜や果物にはカリウムが豊富で
ナトリウムの排出を助け、
自然な減塩効果を生みます。
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甘辛味がもたらす味覚の変化──
これはちょっと
意外だったかもしれませんね。
ただ控えるだけでなく
体の仕組みを知って
「賢く付き合う」ことが大切です。
次回も健康に役立つ情報を
お伝えしていきます。
一緒に健康的な生活を目指していきましょう。


