ヘルスインフォメーションの
鬼頭です。
健康志向の高まりと共に、
人工甘味料は現代人の食生活に
深く浸透しています。
中でも「天然由来」
「カロリーゼロ」として
人気の高いエリスリトールは、
一見すると理想的な砂糖代替品に
思えます。
しかし、科学的な裏付けのもとに
この甘味料を見つめ直すと、
意外な危険が
浮かび上がってきます。
今回は、
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「ゼロカロリー」の甘い罠
エリスリトールと
心臓リスクの深層
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について詳しく解説します。
エリスリトールは、
自然界ではスイカやキノコ、梨
などに微量含まれる
糖アルコールの一種です。
市販の製品では
高純度に精製され、
カロリーがほとんどなく、
血糖値に影響を与えないため、
糖尿病患者やダイエッターに
愛用されています。
しかしこの
「カロリーゼロ神話」は、
近年の研究で
疑問視されています。
特に2023年に権威ある科学誌
『Nature Medicine』に
掲載された研究は、
その危険性を明確に
示唆しています。
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最新研究が暴いたリスク
血液に及ぼす“凝固作用”
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米国と欧州で実施された
大規模な疫学調査では、
血中のエリスリトール濃度が
高い人は、
心筋梗塞や脳卒中の既往歴を
持つ割合が著しく高いことが
確認されました。
具体的には、
エリスリトール濃度が
最も高いグループは、
最低群と比較して、
アメリカでは2.5倍、
ヨーロッパでは4.5倍も
心血管疾患のリスクが
高かったのです。
そのメカニズムとして
注目されたのが
「血小板の活性化」です。
血小板は出血時に
血を固める役割を担う一方、
過剰に活性化すると
血栓を形成し、
血管を詰まらせてしまいます。
エリスリトールの濃度が
上昇すると、
血小板が凝集しやすくなり、
血栓形成が促進される
という現象が見られたのです。
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日常摂取で“1000倍”の
濃度に達する可能性
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さらに驚くべきは
その蓄積性です。
わずか30gのエリスリトールを
含むスナックや飲料を
摂取しただけで、
血中濃度が1000倍に急上昇し、
その状態が48時間以上持続した
との実験結果も
報告されています。
これは、
単発の摂取であっても
血液が長時間
「血栓リスクの高い状態」
に晒されることを意味し、
心疾患リスクのある人にとっては
深刻な脅威となります。
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なぜ“安全”と
されていたのか?
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米国食品医薬品局(FDA)は、
エリスリトールを
「GRAS(一般に安全と
認められている)」物質
と分類していますが、
これは「有害なエビデンスが
まだ十分に蓄積されていない」
ことを意味しており、
長期摂取に関する安全性が
保証されているわけでは
ありません。
精製甘味料の多くは登場してから
30〜40年ほどしか経っておらず、
何世代にもわたる
健康影響の追跡データが
存在しないことは、
極めて重要なポイントです。
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砂糖よりも
「未知」なものを選ぶリスク
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砂糖はもちろん過剰摂取で
肥満や糖尿病のリスクを
高めますが、
何百年にもわたる使用実績が
あります。
対して人工甘味料は、
人体がどのように反応するかの
予測が難しい“未知の物質”です。
甘さを求めるなら
精製度の低い黒糖やはちみつを
“たまに”使う方がよいでしょう。
これは決して
「砂糖礼賛」ではなく、
「不確かなものよりも
長年の経験に裏付けられたものを
選ぼう」
という合理的な判断です。
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都合の良さの裏には
“代償”がある
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私たちは「ゼロカロリー」
「糖質ゼロ」といった
都合の良い言葉に
飛びつきがちですが、
その裏には予期せぬリスクが
潜んでいる可能性があることを、
忘れてはなりません。
特に健康意識が高い人ほど、
甘味料の“効率”ばかりに
目を奪われがちです。
しかし
本当に健康を守りたいなら、
「摂取するモノの質」を
見極める力が必要です。
エリスリトールの話は
その象徴的な一例と
言えるでしょう。